著名エンジニアに学ぶ Claude Code(Claude CLI)の使い方

Anthropic のターミナル型 AI コーディングエージェント「Claude Code(Claude CLI)」は、世界中のエンジニアの開発スタイルを変えつつあります。本記事では、第一線で活躍する開発者たちが実際にどう使っているかを、海外ブログの調査をもとに整理します。

本記事は、英語圏の技術ブログ・公式ドキュメントを当社が調査し、要点を日本語でまとめたものです。各見解の出典は記事末尾の「参考元記事」に記載しています。詳細は必ず元記事をご確認ください。

このシリーズについて(エンジニア別の詳しい個別記事)

本記事は総論です。各エンジニアの使い方は、具体的なコマンド・設定・引用を交えた個別記事で詳しく解説しています。

1. Armin Ronacher(Flask 作者)— 「LLM が読めるコード」を書く

Flask の作者 Armin Ronacher 氏は、Claude Code を月額の Max プランで運用し、あえて高性能な Opus ではなく軽量な Sonnet モデルを主軸に据えていると述べています。スピードと十分な品質のバランスを重視する姿勢です。

さらに特徴的なのが、エージェントが「読みやすい」コードを書くこと自体を重視する点です。バックエンドには明示的で単純な Go を好み、ORM よりも素の SQL、継承を避けた単純な構造、やや長めの関数名を推奨しています。これはエージェントがコードベースを正しく理解できるようにするための工夫です。また MCP よりもシェルスクリプトや Makefile を使わせ、出力を常にログファイルに残してエージェントが自己診断できる環境を整えています(元記事1)。

→ 詳しくは個別記事:Flask作者 Armin Ronacher の Claude Code 活用法【具体例つき】

2. Simon Willison(Django 共同創設者)— 「エージェントループ」を設計する

Django 共同創設者の Simon Willison 氏は、これからのエンジニアに必要なスキルとして「エージェントループの設計(Designing agentic loops)」を挙げます。エージェントとは「ゴールを達成するためにツールをループ実行するもの」であり、適切なツールとゴールを選ぶことで試行錯誤による解決を引き出せる、という考え方です。

そのために氏が強調するのが、エージェント自身が実行できる検証手段を持たせること。堅牢なテストスイートがあれば、失敗するテストのデバッグや反復をエージェントが自律的にこなせると述べています。一方で権限確認をスキップする高速モードは「Docker などで隔離した環境」かつ「課金できる認証情報には厳しい上限を設定する」ことを条件に推奨しています(元記事2)。

→ 詳しくは個別記事:Django共同作者 Simon Willison の Claude Code 活用法【具体例つき】

3. Boris Cherny(Claude Code 開発者)— ミスは CLAUDE.md に刻む

Claude Code 自体の開発者である Boris Cherny 氏の使い方は、公開投稿をまとめたコミュニティサイトで知ることができます。氏は複数の Claude を並行稼働させ、「Claude が間違ったことをするたびに、その内容を CLAUDE.md に追記して次回繰り返さないようにする」というチーム習慣を紹介しています。

別のインタビューでは、新しいモデルでは明示的な計画があまり要らなくなったためプランモードから「自動モード」へ移行しつつあること、複数タブから git worktree による隔離セッションへ移ったことにも触れています(元記事6)。

→ 詳しくは個別記事:Claude Code開発者 Boris Cherny 本人の使い方【具体例つき】

4. Mitchell Hashimoto(HashiCorp 共同創業者)— エージェントを遊ばせない

HashiCorp 共同創業者で、ターミナルエミュレータ Ghostty の作者でもある Mitchell Hashimoto 氏は、The Pragmatic Engineer のインタビューで自身の原則をこう語っています。「自分がコードを書いているなら、エージェントには計画させたい。エージェントが書いているなら、自分はレビューをしたい」。人間とエージェントが同時に手を止めないよう時間を構成するという考え方です。

また、コード生成だけでなく調査・エッジケース分析・ライブラリ比較といったリサーチを委譲することを重視し、AI に懐疑的なエンジニアには「まずコード生成ではなくリサーチ補助から始めてみては」と勧めています(元記事4)。

→ 詳しくは個別記事:Ghostty作者 Mitchell Hashimoto の AIエージェント活用法【具体例つき】

5. Anthropic 公式が推奨するベストプラクティス

これら個人の実践は、Anthropic 公式ドキュメントの推奨とも符合します。公式が繰り返し説くのは「コンテキストウィンドウが最大の制約」であるという事実です。

共通するテーマ

調査した複数の情報源から浮かび上がる共通点は、次のように整理できます。

当社の視点: ハシトシステムでも、AI コーディングエージェントを実プロジェクトに取り入れる際は「検証ループの設計」と「プロジェクト固有ルールの言語化(CLAUDE.md)」を最初の投資先と位置づけています。ツール導入そのものより、検証可能な開発プロセスの整備が成果を左右します。

参考元記事

  1. Armin Ronacher「Agentic Coding Recommendations」(2025年6月12日) — https://lucumr.pocoo.org/2025/6/12/agentic-coding/
  2. Simon Willison「Designing agentic loops」(2025年9月30日) — https://simonwillison.net/2025/Sep/30/designing-agentic-loops/
  3. Anthropic「Best practices for Claude Code」(公式ドキュメント) — https://code.claude.com/docs/en/best-practices
  4. Gergely Orosz / The Pragmatic Engineer「Mitchell Hashimoto's new way of writing code」(2026年2月25日) — https://newsletter.pragmaticengineer.com/p/mitchell-hashimoto
  5. 「How Boris Uses Claude Code」(Boris Cherny 氏の公開投稿のコミュニティ集約) — https://howborisusesclaudecode.com/
  6. Grant Harvey / The Neuron「Claude Code's Creators Explain Agent Loops & How They Code」(2026年6月9日) — https://www.theneuron.ai/explainer-articles/claude-code-creators-boris-cherny-and-cat-wu-explain-how-to-use-agent-loops/

よくある質問(FAQ)

著名エンジニアの Claude Code 活用に共通するテーマは何ですか?

調査した複数の情報源に共通するのは、コンテキストは希少資源なので CLAUDE.md を短く保ち探索はサブエージェントへ任せること、エージェント自身が回せる検証ループを与えること、CLAUDE.md をミスを都度ルール化する積み重なる記憶として使うこと、権限スキップは Docker などの隔離環境と予算上限とセットで行うこと、そして行単位で指示せず委譲する姿勢です。

Claude Code で品質を高めるために最も重要なことは何ですか?

エージェント自身が実行できる検証手段を持たせることです。Simon Willison 氏は堅牢なテストスイートがあればデバッグや反復を自律的にこなせると述べ、Boris Cherny 氏は検証手段を与えることで最終的な品質が2〜3倍になると語っています。テスト・ビルド・リンター・スクリーンショット比較などを必ず用意するのが鉄則です。

Anthropic 公式はどんなベストプラクティスを推奨していますか?

公式は「コンテキストウィンドウが最大の制約」と説き、無関係なタスク間では /clear、長い作業では /compact で整理すること、コードベース探索はサブエージェントに任せ要約だけ戻すこと、Explore → Plan → Code → Commit の4フェーズで進めること、CLAUDE.md を短く保つこと、Claude が自分で回せる検証を必ず用意することを推奨しています。

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